女性の年金問題
女性の平均年金支給額は男性の57%
10月29日放送のNHKクローズアップ現代で、女性の年金問題を取り上げていた。年金の格差は、賃金の格差以上に深刻かもしれない。
65~69歳の場合:平均支給月額は11.9万円(男性:15.3万円・女性:8.7万円)、その中で年金支給月額7万円以下の人の割合の平均は25.8%(男性:13.8%・女性38.3%)、20万円超は平均23.8%(男性:29.0%・女性:4.7%)現状では年代が上がるほど年金支給額は大きい。
(出典)厚生労働省:公的年金受給者の分析ー配偶者の状況と現役時代の経歴(就労状況)からみた年金受給状況 *国の統計を見る機会は少ないですが、なかなか面白いのでぜひ覗いてみてください。
配偶者がいれば夫婦で月平均24万円もらえる(個別の問題はここでは考えない。)問題は、離婚した女性も含めた独身女性である。。年金支給額は、就労していた時期の収入と相関関係がある。年金が少ない人の多くは年金受給前の収入も少ない。ぎりぎりの生活をしていて貯蓄も少ないだろう。退職金がなかったり、あっても少ない人も多いだろう。人生90年とすれば、年金生活の期間が25年。体力が続く限りは働いて、働けなくなったら生活保護となるのだろうか。
年金の男女格差が発生する原因
1.そもそも、同一の仕事をさせてもらえない。お茶くみは女性の仕事と未だに考える職場があるかは知らないが、まだ女性は男性の補助的仕事をさせる会社は少なくないだろう。
2.管理職に昇進できない。令和5年度雇用均等基本調査によると、係長相当職以上の管理職等に占める女性の割合は 15.1%である。それぞれの役職に占める女性の割合は、役員20.9%、部長相当職7.9%、課長相当職12.0%係長相当職では 19.5%である。これは国際的にみて最低レベルである。役員の割合が一番高いのがなぜかはそのうち考えたい。
1と2は根本的な男女差別からきていると思う。女性は劣っていると思い込んでいる男性がまだまだ多い。大学の医学部入試で女性が不当な扱いを受けていたことが問題となったときに、”男性は下駄を履いて生まれてくるよな”と思った。(一律にテストの平均点が悪いと先生が全体に加点することを、「下駄を履かす」と呼んでいた。今でも存在するのかは知らないが)即ち、男女が同じ点数なら迷わず男を採用する。女性は結婚退職が多かったり、育児休暇を取得する、子どもが病気だといって早退する、残業をさせにくいなどという理由だろうが。
3.子どもを産むとキャリアをストップせざるを得ない。まだまだ男性の育児参加に対する意識が低い。
4.配偶者が転勤ありの場合、正社員として働くことが難しい。
5.親の介護の問題。少子化で一人の子どもにかかる負担は増える。
6.一度仕事を辞めれば、前職と同等の条件で就労することはかなりハードルが高い。
3~5のように育児や介護は女性の仕事(無償の)とされてきた。今でもそれを疑わない人、親世代を見てそれが普通だと思っている人は少なくないだろう。女性並みにがっつり育休を取得する男性は最近でも少数派だ。夫が転勤になれば妻は職を辞してついていく、または仕事を続けながら子供の世話は妻だけが担うのが普通。仕事を辞めることになるのはぼぼ女性で、一度キャリアを停止すれば、正社員としての就業も難しい。
7.被扶養者となることで、働きすぎると健康保険や年金を自分で支払うこととなり、負担が上がることにもなる。
家事・育児などの無償の労働をさせて養ってやっているんだ的な「扶養」という言葉は嫌いだ。まあそれは別として、それで女性の年金は少なくなる。離婚などしたら悲劇だ。不利益を被るのは、ほぼ女性なのだ。
ではどうする?
まずは意識改革。これついては擦り込みが大きい。
今、アメリカ発のアプリで英語の勉強をしているが、よくBoss(上司)という単語がでてくる。そのとき自分の頭にはほぼ男性の顔が浮かぶが、アプリ内でBossの男女比はほぼ半々である。男性のみでなく、女性の側がまず、呪縛から解き放たれる必要があるのだろう。そうすれば、今の状況に甘んじているのはおかしいと気づくはずだから。
その上で制度改革。担い手の性別はともかく、無償の家事労働は必要だと思う。男女にかかわらず、得意な方が多くを担うことが合理的な場合もある。大事なのは、無償労働に対して将来にわたり社会全体でペイしていく仕組みを考えつくることだと思う。少子化問題解決にも少しは寄与できるのではないか。
常日頃から腹立たしいことが多く、若干 ”かっかした” 文となったかもしれませんが、ご容赦を。


