むだマッスルは経済を回す?

経済を回す

「経済を回す」とは、どうでもいいことにまでじゃぶじゃぶとお金を使わせること。結果として地球に負荷をかけ他の生命を生存の危機にさらすこととなる。

コロナ禍では、不要不急なことが shouldn’t do となった。経済は急減速し、人々の欲求不満が最高潮となる。なるべく経済活動を止めないようにと、ストップ(ステイホーム)→ゴーが繰り返されて世の中は混乱する。そんな中、”must do(しなければばらない) で in a hurry (緊急)”なことは本当は少ないだと知る。余暇や遊びを否定されたのは窮屈だったが、これは本当に必要だったのだろうかと改めて考える機会にもなった。

筋肉は何のためにあるのか

人間の筋肉は、大きく3つに分けられる。骨格筋、内臓筋、心筋のである。これから書くのは、骨を動かす骨格筋についてである。骨格肉は骨に沿って存在し、体を支え、姿勢を保ち、体を動かす。生命維持を維持するためには動かないといけないので、求められる動きに応じた筋肉が必要となる。

例として、朝目覚めてからを考えてみる。ベッド起き上がる→手を延ばしてアラームを切る→ベッドから降りる→トイレに歩いていく→直立して歯を磨く→前傾して顔を洗う。ずっと筋肉が働いている。

狩猟する人々は動物を追いかけるうちに足の筋肉がつく。槍などを遠くに投げるため腕の筋肉も発達する。これらの筋肉は、生存と密接に結びついている。

むだマッスルを鍛えることが流行る

便利な道具をどんどん作ることで、労働に費やす時間が大幅に減る。いわゆる労働生産性が上がる。

筋肉を使わない労働であるホワイトカラーが好まれるようになって久しい。生き物である以上、楽する方を選ぶのは仕方ない。一方、ジムでバーベルを持ち上げたりランニングをするなどのきついエクササイズをしてまで、日常でほぼ使われない筋肉(むだマッスル)を鍛える人がいる。以前に比べ男性俳優や芸人などにもムキムキした人が増えた気がする

多和田葉子著「献灯使」の中の子どもたち

だいぶ前に読んだのでうろ覚えだが、この小説の中の子どもたちはほぼ筋力がなく長く歩くこともできない。食も細い。そんな子のひとり”無名”を、不死の運命を背負った元気な曽祖父が学校に連れて行ったり身の回りの世話をするなどの面倒を見ている。自分の身体が自由に動けないのはもどかしい気がするのだが、無明は運命を受け入れて淡々と生きているようにも見える。

これを読んだ時、無駄な筋肉が不必要となる時代がくるかもしれないと思った。筋肉が大きくなると代謝が増え痩せやすくなるとされる。逆に言えば、食糧難になったら筋肉はたくさんエネルギーを消費する非効率きわまりないものとなるのだから。世界的な人口増と温暖化による災害や作物の不足などで、食糧難が実際に起こっても不思議ではない。

持っている資源(筋肉)の有効活用

筋肉が生存に絶対的に優位だった時代なら「子孫を残すなら立派な筋肉を持った男性の子を」という理由で、マッチョな男性がもてたのはわかる。なぜ筋肉もりもりの必要性が薄れても筋トレブームが続くのだろう。しかし、それはさておき、むだマッスルを活用する手はないのか考えてみる。

筋肉を使いたいなら、労働で使ってほしい。筋肉を鍛えるだけの行為は、ほぼ何の成果物も産まない。逆に、建物や設備を生産するための資源・エネルギー、設備を維持するためのエネルギー、運動で消費するエネルギーなどを消費して地球に負荷をかける。これは筋トレに限ったことではないが。

災害ボランティア、雪かきボランティア、介護施設、荷物の運搬、農機の使えない農地での作業などなど、労働力が不足してる場面は多い。筋肉を使った仕事(肉体労働)が移動負荷がかからない近隣でできて、対価として、何らかの形でポイントなどが付与される、年金のように将来受け取れることもできる。なんでもいいのだが、そんな取り組みはできないか。

健康のためそこそこの筋肉を維持するのは、もちろん必要不可欠だ。でも、見せびらかすための筋肉が”かっこいい”から、無駄な筋肉を鍛えるなんて”ダサい”という風潮になってほしい。実際、継続可能性(サステナビリティ)を考えたら、かなりダサい。

風当たりは強いだろう。トレーニング機器、トレーナーの人、プロテインなどの補助食品、シューズやウエアなど関連産業は山とある。ぶら下がる人がたくさんいる。どしどし宣伝して、無駄なものを買わせる(使わせる)ように煽って経済規模は大きくなった。SNSが普及すると、他人にひけらかす、他人と競争して差別化しようと変な頑張りをする人が増えた。まあ、筋肉に限らないが。

ブームにのせられるのではなく自分の頭で考えて楽しめ!そして足るを知れ!自分の活動がどれだけ地球に負荷をかけて他の生物たちを生きにくくしているのかを、時々振り返れ!

(余談)ノーベル賞の発表が始まりましたが、ネット記事によると、多和田さんがノーベル文学賞の有力候補とされているそうです。この文はそれ以前に書き始めましたが。

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